2016/08/19
KAICHO: s_naray[at]yahoo[dot]co[dot]jp
※SPAM防止中

Cubase Tips

ここでは、我輩がCubase Pro 8.5を使用する上で、メモっとこ、と思った ことを紹介する。TIPSというか豆知識というか備忘録というか。 だから、正しいかどうかは知らない。情報の正確性に責任も持たない。 自己責任でご利用くだされ。きっと役にたつものと信じる。

なお、ここでは「音」とは「ボーカル」であり、インストルメントでは ないことに注意。 同様に、MIXはボーカルとオケの「歌ってみたMIX」のことであり、パラミックスではない。 なんせ我輩、歌ってみたMIXしかやってないから。

Cubaseを使う上では、オーディオIFと、いいヘッドフォンは必須。 もしもってないなら、安いのでいいからまず買え!我輩は UR12+AKG K240mkIIを使っている。歌ってみたMIXならこれで十分。 UR12にはCubase AIまでついてきてなおオトク。

歌ってみたMIXだったら、Cubase Element+WAVES GOLDが一番コスト パフォーマンスがいいと思うがどんなもんだろうか。Cubase Proにするほど トラック数やVSTプラグインは要らないし、Cubase Elementについてこない イコライザ群はWAVES GOLDにはついてくるし、WAVES GOLDってうまくすれば 2万円以下で買えるから。

PCスピーカーから音を出すには

通常CubaseはUR22などのAudio Interfaceを通して音を出すのだが、やんごとない 事情があったり、スピーカーから出した時の音がどうなるか確認したいとか いう理由があったりして、PCスピーカーから音を出したくなることがある。 そんな時は、 Windowsなら標準でついてくるGeneric Low Latency ASIO Driverか、 ACIO4ALLを使う。 これで、Cubaseの出力をPCスピーカーやヘッドホン端子から出すことができる ようになる。設定の手順詳細はめんどうだから書かない。[デバイス設定]の "VSTオーディオシステム"項で指定する。

Cubaseは ASIO(Audio Stream Input Output)デバイスに対してのみ出力可能であり、 このACIO4ALLはPCオーディオをACIO互換にしてくれるドライバだ。 ただし、レイテンシが大きい(簡単に言えば音が遅れて出る)し、そのデバイスを つかんでしまってほかのアプリケーションの音をミュートしてしまうので、 Audio I/F の代わりに常用するのには向かない。あくまでテンポラリの 確認用にどうぞ。

元音声を変更したらどうなる?

Cubaseで編集を始めた後に、元音声(waveファイル)を修正したくなったり 差し替えたくなることがあるだろう。そういうのって可能なの?

答えは、「可能だが条件がある」。プロジェクトのAudioフォルダ下に、 その音声ファイルが展開されていなければ、何も考えずに差し替え可能。 Cubaseを停止→元音声を差し替え→Cubaseを起動すればよい。 なお、トラックフリーズしている場合は、フリーズを解除した上でCubaseを 再起動しないと変更が反映されないので注意。

一方、Audioフォルダ下にその音声ファイルが展開されていると、単純な 差し替えは不可能。一度プロジェクト上の当該トラックから元音声を削除し、 メディア→ゴミ箱を空にしてから差し替え後の元音声を読み込ませるか、 祈りながらAudioフォルダ下の展開されているファイルを削除して Cubaseを起動することになる。

Audioフォルダ下にファイルができるのは、Cubase上で「元音声を恒久的に 変更する処理」を行ったからだ。たとえば全体的な移調や、mp3からの読み込み (※Cubaseは無圧縮音声しか扱えないので、勝手に変換してしまう)、 プロジェクトの周波数・ビット長とは異なる音声ファイルを指定した (※このときCubaseは勝手にプロジェクトに合わせて変換したファイルを作る)、 など。

差し替えが必要になる可能性がある場合は、可能な限りこの「Cubaseによる 勝手な変換ファイルの作成」を抑制することをお勧めする。

ボリュームオートメーションを書く時は

トラックボリュームのオートメーションを書くのはあまりお勧めしない。 それやっちゃうと、それ以降トラックのボリュームを変更することが できなくなっちゃう(オートメーションで絶対値を指定してるんだから当然だ)からだ。

じゃぁどうするかというと、トラックにボリューム変更のためのVSTプラグインを ひとつInsertして、それのオートメーションを書けばいい。我輩は Blue Cat AudioのGain Suiteを使わせてもらっている。ちょい使いづらいから 自分で作ろうかとも思ってるが閑話休題。

これにより、「VSTでトラックの相対音量を微調整」と 「トラック全体のボリュームを調整」が両方同時にできるようになる (※VSTボリュームとトラックボリュームの役割は逆でもよい)。 簡単だけどよく使うテクニック。

ボリュームオートメーションのためだけにVSTプラグインスロットを一つツブしたくない 場合は、挿してるVSTのどれか最初の方のOutGain(出力音量)のオートメーションを 書けばよい。我輩はよくQ10(WAVESのイコライザ)のOutGainを使う。

なお、音量のオートメーションは本当にマメに書いた方がいい。 たとえば「ここ歯擦音がちょいうるさいな」のところだけ一瞬下げたり、 サビ部分だけ1.0dbくらい持ち上げてみたり。 そういう細かい編集が、全体の品質アップにつながるのですよ。

オートメーションをコピーする

よくやり方忘れるのでメモ。 オートメーションを別トラックにコピーすることができる。 範囲指定でバッファにコピーした後、コピー先トラックを選択して [編集]→[同じ場所に貼り付け]で完了。

ビブラートをつける

Cubaseにはビブラートを付加するためのVSTプラグインが付属している。 ずばり名前はvibrato。ピッチを揺らしてビブラートをかけることができる。 ボーカルにビブラートを付加するには、

  1. Speed(=5.0〜6.0Hz程度)・spaceを固定、Depth=0のvibratoをInsert
  2. Depthに対するオートメーションを書く
という二つで実現する。1.のSpeedは、音楽的に言われるビブラートの スピード(5.5Hz〜6.5Hz)より少し遅い。これが最近の流行なのかどうかは わからないけれど、今のポップスはそういう傾向みたい。もちろん、ボーカルと 曲調にあわせて調整すること。spaceは、正直よくわかんないのだが、 ボーカルの音質によって「イイ値」が異なるようだ。def=75だが、我輩は 20よりも小さいほうがお好き。

2.のDepthは、以下のような規則でオートメーションを書くるとそれっぽい。

  1. ボーカルが音を伸ばしている箇所にかける
  2. かかり始めは、音長の1/2〜1/3くらいから
  3. そこから音長の3/4くらいまで、30程度まで上げる
  4. そこから音長末尾まで0に向かって下げる
三角形ではなく、最初の立ち上がりを少し急にするために四角形にした方が 自然に聞こえる気がする。なんかホーミーみたいにもよもよする時は、 spaceを調整するとよくなることがある。よくならないこともある。 ボーカルによってはそもそもビブラートを受け付けないものもある。 いろいろやってみると吉。

あとボーカルの中の人によっては、ビブラート後付されるのを好まない 人も居るので、付けるときはあらかじめ言っておいた方がいいかもよ。

予断だけど、CubaseのVibratoプラグインは、周期がボーカルと同期していないらしく、 再生するたびにかかり具合が微妙に変わる。これはなんとかしてほしい…。

ここだけリバーブを強調したい!

ボーカルを伸ばすところだけリバーブをかけたい、ってこと、あるよね。 そういうときは、あらかじめリバーブのFXチャネルを作っておいて、 そこへの出力のBypassまたはsend量を、当該トラックのオートメーションで 制御する。ここ!ってトコだけリバーブチャネルにSendするようにするわけだ。 「ここだけディレイが欲しい」という時にも同じ方法が使える。

ただし、リバーブかけると音量が大きくなったように聞こえる(Sendなら 実際重ねるんだから大きくなる)ので、同時にボリュームのオートメーションも 書く必要があることに注意。 これを怠ると、「そこだけやたら音が大きい」という不自然なリバーブになる。

sendで送ると、送った後送り元トラックのsendをBypass(停止)しても、 送り先ではリバーブはかかりっぱなしなので響きが保たれることに注意。 だからこそsendを使うわけだ。Insertでリバーブさせていると、 Bypassするとそこでリバーブがぷつりと切れて不自然になる。

耳に痛いボーカルを修正する

人によるが、特に高音で、耳がキンキンするような声質のボーカルがある。 「耳に刺さる」とも言う。歯擦音(さしすせその頭の空気抜けるような音)じゃなくて、 確かに発音してるのに耳が痛いヤツ。全体的に痛いんじゃなくて、特定の音だけが 痛い、なんてこともよくある。とにかく不快。歌ってみたMIXでは、 これをなんとかするのが至上命題。以下のいずれかまたは複合で対策する。

  1. イコライザでキンキン部分を削る(1)
    イコライザでキンキンの具体的な周波数を追い込んで探したいなら、 以下の二つの方法がある。

    ボーカルのキンキンする箇所は、大体一曲中に十数か所くらいあって、それぞれに ピークが異なることがある。そういう周波数は、標準的には4〜6数箇所くらいはあるはず。 慎重にイコライジングを。ただ、Cubase標準のStudioEQだと、 4箇所しか制御点がないから、きれいにキンキンを抑えるの難しいんだよね…。 WAVESのQ10(せめてQ8)が一番いいと思う。

    一般的には、キンキン部分の成分は、4kHzと2kHz周辺(人によっては加えて1kHz周辺)に あることが多い。だから、まずは4kHzをQ狭めに深く、2kHzをQ広めに浅くに削ると、 キンキンがかなり低減される。一気に削ると音の印象が変わってしまうので、 -6db以上削る必要がある場合は、別の方法を考えたほうがいい。 キンキンする箇所のスペクトルを表示して、明らかに高くなってる部分を 重点的に叩くようにすると効率よくキンキンを削ることができる。

    ひとつのイコライザでとりきれなければ、コンプレッサーのあととかに もうひとつイコライザさして、そこでさらにキンキンを削る、という作業を するとよい。削りすぎるとスカスカになるので注意。

  2. コンプレッサーを変えてみる
    キンキンは、基本的にコンプレッサーによって増幅される。 で、コンプレッサーの種類によって、キンキン度合いが大きく変わるので、 いろんなコンプレッサーを試してみるとよい。 コンプレッサー代わりにWAVES MV1を使ってると、テキメンにキンキンが 大きくなる気がする。あまりにキンキンが酷い場合は、フツーの コンプレッサー(C1とかCubase付属のとか)にしたほうがいいかも。

    コンプレッサーに限らず、キンキンするチャンネルのインサートを ひとつづつOn/Offしてみて、どのVSTがキンキンに大きく寄与しているかを 探すとよい。

  3. インサート順を、Comp→EQではなく、EQ→Compにする
    これが結構効く。先にComp(+音量上げ)すると、耳に痛い成分が先に持ち上がった上で イコライザで削ることになるので、同じ量だけ削っても削り幅が小さくなるためだと 推測している。またEQ→Comp→EQのように、さらに後段にEQを挿して、キンキン部分を ピンポイントで削るようにしてもよい。後段に挿したイコライザで削るのは、 最大でも-3dbくらいにとどめること。そうしないと音が寂しくなる。

  4. ボーカルに対するエンハンサーをはずす
    キンキン声にエンハンサーをかけると、さらにキンキンする。これはもう どうしようもないので、エンハンサーは使わないようにする。 見落としがちなのが、マスタリングでのエンハンサー。マスタリング プラグインのプリセットに入ってることがあるので、これはOffにする。

  5. ディエッサー・マルチバンドコンプレッサーでキンキン部分を抑える
    ディエッサーまたはマルチバンドコンプレッサーで、2kHz〜4kHzくらいを抑えると、 キンキンが緩和される。ただし、括舌が悪く聞こえたり苦しげに聞こえるように なったりすることもあるので、やりすぎは禁物。 ディエッサーは、WavesのものよりもCubase付属のものが、かける範囲が 目視できるので便利。

  6. ダイナミックイコライザでキンキン部分を抑える
    ダイナミックイコライザは、大体マルチバンドコンプレッサーと同じようなものなのだが、 使い方がちょっと違って、ピンポイントでキンキンを抑えるのにはこっちの方が向いてる 気がする。我輩はiZotope Ozone8付属のDynamic EQをよく使う。

  7. ボリュームオートメーションを書いて、キンキン部分の音量を抑える
    キンキン部分は音量が大きいからキンキンが目だって聞こえるので、じゃぁそこだけ 音量をちょっと抑えてやればいいじゃん、というのもひとつの解決策になる。 2dbくらい抑えてマシになるか確認してみればよい。それ以上抑えると、 たぶん聞いてて「あ、音量変わったな」とわかったり、ポンピングのように 聞こえたりする。

  8. 薄くリバーブをInsertする
    SendじゃなくてInsert。TIME=1.5sくらいまで、MIX=20%くらいまでのRoomWorksSEを、 キンキンするトラックにInsertすると、キンキンがマシになる。やりすぎると 音像がぼやけるだけなので、あくまで軽く。同じ理論で、リバーブへのsend量を 増やしてやってもよいが、そっちもやりすぎは禁物。

  9. MannyさんのTriple Dを使う
    試した中ではこれが一番かもという方法。WAVESのVSTプラグイン、 MannyMarroquin Triple Dの、DeHarsharを使う。これがテキメンに効く。 お試ししてみたらあまりによかったので、我輩このVSTだけ単体で 買っちゃったくらい。ちょっとお高いときに買ったけれど、後悔はしていない。 セール時なら$49で、クーポンついてくれば$29で買えたりするので、 キンキンに困ってる人は買って損はないよ!(…と思うのよ)。 WAVESは一週間くらい無料でお試しさせてくれるので、興味が出たら 即ダウンロードだッ!

  10. イコライザでキンキン部分を削る(2)
    上のをやっても一曲に数ヶ所くらいキンキン部分が残ってしまうことがある。 だったら、ということで力技。

    1. WAVES Q10のような、調整点が多いイコライザをInsert
    2. 全調整点を、Q狭く(25くらい)-3dbくらいに設定
    3. それを1〜4kHzの間にほぼ等間隔に配置(この時点では全部Off)
    4. キンキンする箇所で適当な調整点がOnになるように、オートメーションを書く

    調整点の配置は曲ごとに換えてもいい。とにかく、「キンキンの箇所だけを削る」 ようにオートメーションをたくさん書けばいいわけだ。実際には、あるキンキン箇所で 削る必要がある周波数は一箇所または二箇所くらいなので、オートメーションも そんなに複雑にならない。見た目より現実的なんだよ!

    でも、やりすぎるとポンピングみたいになるので注意。

特に、最初のイコライザとDynamic EQ、Triple Dの合わせ技が効く。これで直らないなら、 そのキンキンの原因は別の場所にあるか、上手なイコライジングができて ないんだろう、きっと。もし特殊なキンキンボーカルをお持ちの場合は、 ぜひ調整してみたいので、我輩に送って下さい。我輩(だけ)が無駄に喜びます。

割れた音を目立たなくする

最初に言っておくが、割れた音を修正するのは不可能だ。できるなら 歌いなおしてもらった方がいい。ということを前提に、どうしても歌いなおして もらえないけど割れてる場合の、「なんとかしかた」を述べる。

ずばり、全体にDistotionを薄くかける。全体を割れたようにしてしまって 局所的な割れを目立たなくするというそんな。冗談みたいな方法だけど、 思いのほか有効。我輩はCubase標準のMagnettoIIをよく使う。アンプ シミュレータでもテープシミュレータでもいいと思う。

そのほかには、ボーカルにもよるが、イコライザで400Hzあたりを薄く(1dbくらい) 削ると、割れが目立たなくなったりすることもある。イコライジングをいろいろ やってみるとよい。ただし、削りすぎると声質が変わってしまうので注意。

追記。 iZotope RX5には「Declip」という機能があって、上手に使うと割れた箇所を マシにしてくれる。びっくりするほどきれいにはならないが、「超割れてるー!」を 「ああ割れてますね」くらいにはしてくれる。便利(?)。

やわらかい音にしたい

バックコーラスなんかをもっとやわらかくしたーい、ということがよくある。 通常は以下の二つを実行する。

  1. イコライザで低音と高音を削る
    やわらかく(というか目立たなく)なっていくのだが、やりすぎると単純に 音が細くなってしまう。
  2. リバーブに送るSend量を増やす
    やりすぎると音がひっこんで聞こえなくなっていまう

でも、もっともっと柔らかくしたいのにー、というときは、禁じ手がある。 Insertでリバーブを使うのだ。sendじゃないよ、Insertだよ。 これで、そのトラックの音はモノスゴやわやわになる。エンヤが歌ってるみたく。 ただし、リバーブは重い処理だ。だからこそ普通はInsertじゃなくsendで 使われている。Insertで使うなら、潤沢なCPUパゥワァを用意するか、 相応に軽いものを使うべき。響きが欲しいわけじゃないので、DAW付属の とてもシンプルなReverbで十分。 CubaseならRoomWorksSEがたぶん一番軽いのでお勧め。

声を太くする

DAWで流してみると、ボーカルが細くて目立たないことがよくある。こんなとき、 このボーカルを太くして目立たせる(前に出すとも言う)ためには、以下のような 手法の一つまたはいくつかを組み合わせて使う。

  1. サチュレーション系VSTを入れる
    強く使えば「音割れを再現してラジオボイスをよりリアルに」なんてケースに 使える、サチュレーション系のVSTを、薄くかける。我輩はCubase標準に ついてるMagnettoIIを、プリセット "bring to front" を基本にして 愛用している。不思議なことに、確かに音が太くなって前にでてくる。 いまだに仕組みはよくわかんない…。やりすぎるとノイジーか割れ気味になる。

  2. コーラス・doubler系VSTを入れる
    こちらも強く使うと単純にコーラスになるが、弱めにかけると、 音の厚みが増す。Cubase標準のChorusでもいいが、Wavesのdoubler2とかが 使いやすい。音が太く聞こえるのは、合唱と同じ原理で、「複数発音の 周波数のズレ(freqdiff)」がその主因。ただし、この周波数のズレが大きくなると どんどん機械音っぽくなっていってしまうので注意。delay(発音の遅れ)と freqdiffを小さめにすると自然になる。例:delay=10ms/freqdiff=±5くらい。

  3. イコライザで中低音を少しだけ持ち上げる
    100Hz〜700Hzくらいまでを少し(〜2db程度)持ち上げると、音に厚みが出る。 これをもう少し上手にできるのがWAVESのVitamin Sonic Enhancer。 使えるならVitaminが使いやすくてよい。
    また、全般的に「削りすぎ」なことがあるので、イコライジングを最初からやりなおすか、 今削ってる部分を0.3dbくらいづつ大きくしてみると、音が太くなったりする。 これもやりすぎるとまた耳が痛くなってしまうけど。

  4. エキサイター・エンハンサーをかける
    「歌が上手く聞こえる魔法のプラグイン」として一時期もてはやされた例のアレ。 上手に使うと、声に潤いが出る。ごく薄くかけるのがポイント。強くかけすぎると 耳に痛い音は更に痛くなるのでご注意。

  5. マルチバンドコンプレッサーで、中高域を持ち上げながら少しツブしてみる
    そうすると、音に迫力が出る。マルチバンドコンプレッサーのプリセットを 探してみるとよい。思いのほかしっくりくるのがあったりする。

  6. みんな大好きリバーブを少しだけ強めにかける
    曲調に合うかどうかの方が大事なのでお勧めしないが、リバーブも音を太くする ことができるエフェクトのひとつ。単純に全体を太くしたいならホールリバーブ、 そうじゃなくてアタックを強くしたいならプレートリバーブを使うといい。 やりすぎると逆に音がおとなしくなりすぎてひっこんじゃうので、加減が重要。

声に迫力を出す

声を太くすると似ているが、こっちは迫力に 注目した場合の手順を示す。MIXを進めたんだけど、どうにもサビ部分に迫力が ないんだよなぁ…ということはよくあって、じゃぁどうするか、というところ。 音圧をあげる?うん、まぁそれもひとつの方法なんだけど、それはマスタリングの 時にすりゃいいから、ということで、ここではそれを除いた方法を紹介する。

  1. コンプを調整してみる
    コンプレッサーは音の大きさのばらつきを整えるわけで、ということは、 かけすぎてアタックを潰しちゃうと、声に迫力がなくなるわけだ。アタックを残しつつ 余韻を抑えるようにかけるとか、アタック遅めで緩く抑えるようなコンプを追加して みるなどしてみるとよい。とにかくアタック部分がちゃんと残っているようにするのが コツ。

  2. ボリュームオートメーションを入念に書く
    結局、迫力って「盛り上がるところで音量大きく」「力抜いたところでは音量小さく」 がメリハリよく実行できてることなので、曲に合わせてこういうのがばっちり 書ければ、随分迫力は出る。というか、いまどきボリュームオートメーションを 細かく書いてない曲なんてありえない!がんばって書きたまえ書きたまえ!

  3. トランジェント系のエフェクトを追加してみる
    トランジェント系のエフェクトでは、アタック(=子音)部分だけを強調でき、 そうすることで各ノートに迫力が出たりする。Cubaseなら、EnvelopeShaper。 ただ、これは最終手段。今までのMIXのバランスを容易に崩してしまうので、最初から 狙ってやるんじゃなければ、後から追加は結構難しいのを理解しておくこと。
    同じ仕組みで、「エキスパンダーでダイナミクスを強調する」というのも使えるが、 そっちもかけ具合が難しいのであんまお勧めしない。上手にできればスゴい よくなるんだけどね。

  4. イコライザで削った部分を少し戻す
    迫力がないのは、イコライザで削りすぎなことも多い。だもんで、そうかなー、と 思ったら、削った部分を少し(0.3dbくらい)戻してやると、音に迫力が戻ることが ある。「迫力は出たけど、ところどころ耳に痛いところがあるんだよなー」と いうときは、「その耳が痛いところだけイコライジングを追加するような オートメーションを書く」という小技を使ってもいいかもしれない。

  5. ショートディレイを追加する
    30〜50ms程度のショートディレイを追加すると、スタジアムで歌ったような響きが 追加され、迫力が出たように聞こえることがある。「魔法のショートディレイ」として 184msのものを加えるのも有名。いずれも、やりすぎるとモッスゴ安っぽくなる。

  6. ディエッサーで削りすぎか確認してみる
    もともとのボーカルのsの発音が弱いときは、ディエッサーで削ると迫力がなくなる。 ディエッサー入れなくてもsの発音が弱いなぁ、感じたら、逆にこれを強調してみると 迫力が出ることがある。sの音のメインは11kHzあたりにあるので、 このあたりを少し持ち上げてみる。

迫力って何だろう?と考えたら、発音の勢いなんじゃ ないかな、と思いつく。で、じゃぁ発音の勢いってどうやって出すの?と考えれば、 自ずと答えは見つかるはずだ(無責任)。

読み込む音データの周波数・ビット長を自動的にプロジェクトに合わせて変換する

[ファイル]→[環境設定]→[編集操作]→[Audio]の画面で、 [オーディオファイルの読み込み時]を「設定を使用」に設定、加えて、 下のチェックボックスで「プロジェクト設定に適合(必要な場合)」に チェックしておく。これで、これで、音データを読み込む時にいちいち 聞いてくことなく、変換が必要であればプロジェクトに合わせて 自動変換するようになった。 あー、こっちにいい文書があったわい

これをやっとかないと、Cubaseは「プロジェクトの周波数・ビット長で (それとは違う周波数・ビット数の)音データを読んでおかしな音にする」 というアツい動作になる。そんな動作に需要あんのか。 もしおかしな音になっちゃった場合は、 こんな方法で後から変換することも可能なので、知ってると吉。

「自動変換する」ということは即ちプロジェクトと音データとの 周波数・ビット長が異なるということで、そういうデータがあったら 知らせてほしいなぁ、と思ったら、同じ箇所、 [ファイル]→[環境設定]→[編集操作]→[Audio]の画面で、 [オーディオファイルの読み込み時]を「オプションダイアログを開く」に 設定する。これで、音データを読み込む時にいちいち聞いてくるようになった。

基本的に我輩は、(オケも含めて)最初にMelodyneでCubaseのプロジェクトと 同じ周波数・ビット長に変換したWAVを吐き出させてそれを使うので、 Cubaseに変換させることはほとんどない。また、そうしないと、Cubaseは 周波数・ビット長変換したWAVをプロジェクトフォルダ以下に保存するので、 後から差し替えができなくなったり、プロジェクトフォルダが無駄に肥大化 したりする。注意。

やっぱり、こういうことがないように、最初からプロジェクトと同じ 周波数・ビット長のボーカル・オケを用意しておくことをお勧めする。

ステレオデータをモノラルトラックに配置すると

ちゃんとモノラルで発音される。ステレオなVSTを挿しても、結局この トラックがモノラルなので、最終的な発音はモノラルになる。

ただ、モノラルなのに表示上はトラックが二つあって見た目が複雑に なっちゃうのと、「あれ、コレステレオだったっけ?」と勘違いしちゃうという デメリットがあるので、そういうことはしないほうがいいよ。

ちなみに、ステレオトラックにモノラルデータを配置すると、 当然モノラルで発音される。アタリマエ。ただし、ステレオVSTを挿すと、 そのVSTの出力としてはちゃんと左右に分かれるので、そういう使い方を してもよい。

トラックのステレオ←→モノラル変更

Cubaseでは、トラックのステレオ←→モノラル変更はできない。 できないったらできない。一度ステレオトラックでつくったらどうあっても ステレオだし、モノラルトラックはどうあってもモノラル。 途中で変更することはできない。おとなしく別にチャンネル数を変えた トラック作って、今までの設定内容をそっちに手で移すのが吉。

でもVSTプラグインもモノラル用とステレオ用があって、それらの間で データコピーできなかったりして面倒なんだよね…。

ステレオトラックでモノラル用VSTを使うと

使っちゃダメ!VSTのつくりによるが、「音がちょっと割れる」 「音が少しだけパンされる」など、思いもよらない副作用があるため。 想定外の動作になるからやらないほうがいいよ、という話。

たとえば、WAVESのMV2(mono)は、ステレオトラックで使うと音がスッゴい 右に寄る。のだが、同じWAVESのQ8 Eq(mono)は、「音がちょっとだけ右に寄る」。 なんだよちょっとだけって。

モノラルトラックでステレオ用VSTを使うと

モノラルトラックでステレオ用VSTを使うと と同じ理由で、使わないこと。

モノラルトラックはその出力がどうあってもモノラルなので、 ステレオVST(たとえばWavesのdoubler2のように左右に広げるようなVST)を 通してもモノラルのままでぜんぜん左右に広がらず、まったく無意味。 左右に広げるVSTは、モノラルトラックじゃなくて、そのoutputを 繋いだステレオトラック上で使うこと。

プロジェクト周波数をあまり高くしない

192kHzなんかでやっちゃダメ。最高でも96kHzで十分。ほとんどの場合は 48kHzで問題ない。

なぜ周波数を高くしてはならないか。データファイルサイズがデカくなる という問題もあるが、もっと大きいのは、高い周波数を処理するために CPUリソースをとんでもなく食うようになるためだ。手元の環境では、 192kHzだと、6トラックくらいで普通にエフェクトかけた曲データを 再生すると、Core i7 3660SでもCPU usage がすぐ100%すぐ超えちゃって ノイズプチプチになる。同じデータを96kHzで処理するとCPU利用率は 25%以下で安定しており、そういうのがなくなった。再生の時のノイズは まぁ我慢できなくもないかもしれないが、結局 実時間で書き出し中にエラーが起こるようになっちゃうので、 実用に耐えない。よっぽどの理由がない限りやめとけ!

2018/05現在、我輩は32bit(float)/48kHzでMIXすることに落ち着いた。やっぱり 96kHzでもトラック数が多くなるとCPU(Core i7 3660S)がかなり厳しくなるので…。

「実時間で書き出す」をチェックしないでオーディオミックスダウンすると、微妙に音が変わる

スッゲー困るやつ。ちょっとしたニュアンスが消えてたり、ボーカルが 「たー」って発音してる部分が「あー」(最初のtが聞こえない)になってたりと、 全てを注意深く確認しないとわかんないからタチが悪い。 しかも、変わる音の位置やら変わり方やらが、書き出すたびに変化するという。 なんでやねーん!とツッコミを15回/秒しちゃうぞコラァ!

ずばり回避策は、「実時間で書き出す」をチェックすること。なぜ実時間で 書き出すとこれが回避できるのかは、我輩よくわかんないです。そして 実時間で書き出すようにすると、スッゲー時間がかかる上に今度は↓の エラーが出るようになってしまうという悪循環に、 オマエもハマれ!(自分がハマったので呪いの言葉)

実時間で書き出し中にエラーが起こる

[ファイル]→[書き出し]→[オーディオミックスダウン]で、 [実時間で書き出し]を チェックしておくと、実際の書き出し中に以下のエラーが表示され、 書き出しに失敗することがある。

先に対処策を書いておこう。以下のいずれかを実行すると、このエラーを 回避できる、かもしれない。お勧めは最後の、全トラックフリーズ。

  1. 書き出そうとしてるファイルが既存のものの場合、それをWindows Media Playerなどで再生中でないかどうか確認
    →書き出し先ファイルが他のアプリに掴まれてると、書き込もうとして書けないので、このエラーになることがある

  2. プロジェクトのサンプリング周波数・ビット数を小さくする
    →回避できるが、プロジェクト全体を再作成するハメになる

  3. Cubase以外のアプリケーションをすべて終了させた上で再試行。試行中は何も操作しない
    →回避できればスッゲーラッキー

  4. オーディオインターフェースのレイテンシを長くする 〜30ms程度?
    →回避できればまぁラッキー

  5. オーディオI/Fのバッファを増加させる
    →回避できればまぁラッキー

  6. 「実時間で書き出す」をチェックしない
    →確実に回避できるが、書き出したデータの音が変わっちゃうことがある

  7. スッゲー高速なCPUのマシンに買い替え、またはスッゲー高速なディスク(RAMディスクとか)にデータを配置
    →お金持ちやRAMディスク大好きな方はどうぞ。なお、SSDだと焼け石に水なことが多い

  8. すべてのトラックをフリーズしてから再試行
    →結構な確率で回避できる

このエラーメッセージが意味するのは、音データを「実時間で処理して出力」 している最中に、CPUでの処理が間に合わなかったか、HDDとのデータI/Oが 間に合わなかったかのいずれかだ(と推測する)。ということは、以下の どれかで直るはず。上に挙げた対処方法は、これらのいずれかに該当する。

  1. 実時間処理をあきらめるか、バッファを大きくして「実時間」に余裕を持たせる
  2. CPUの処理性能を上げる
  3. CPUの処理量を減らす
  4. データI/Oを高速にする
  5. データI/O量を減らす

ソレはソレとして素朴な疑問なんだが、なんで「実時間で書き出す」なのかね。 CPUを100%使って、「どんなに時間かかってもいいから完璧なMIX結果を 書き出す」ちう機能があってもいいと思うんだけどなぁ。wav→mp3変換 みたいにさ。

追記。もう一つ起こりうるエラーがあったので。

これは上記とは違って理由は明白で、ASIOがドライブしているデバイスが 応答できなかったことを示す。出力先がSound I/Fとかだと、そういうことは (故障してない限り)まぁないはず。で、原因は、典型的には、バックグランド時に ASIOドライバーを解放する設定にしといたのを忘れて、書き出し中にCubaseを バックグランドにしちゃった時。解決策はカンタンで、
[デバイス]→[デバイス設定]→[VSTオーディオシステム]→ [Yamaha Steinberg USB ASIO]→[バックグランド時はASIOドライバーを開放する]の チェックをはずす
で回避できるはず。

更に検証したので追記。「ファイルの書き出し中にプロセッサーへの負荷が 許容量を超えました」は、トラックが多い・VST処理が重い・他の作業をしてしまっていた、 などの理由で、CPUがトラックの音源処理を実時間以内に完了できなかったために起こる。 だから、トラックフリーズするとVST処理が軽くなり、起こらなくなる。ただし、なぜか 「全てのトラックをフリーズ」しなければならず、1トラックでもフリーズしてないのが あるとこのエラーが起こり続ける、みたいなことが多い。なぜかは不明。

「ファイルの書き出し中にハードディスクへの負荷が許容量を超えました」は、 切り分けを続けて、やっと原因らしきものが見えてきた。条件は以下のとおり。

最後の条件に注目。我輩は全プロジェクトをすべてSSD(Crucail MX200(500GB))上に 配置しているが、これを何の気なしにHDD上に移動して編集したところ、 全く同じデータなのに、「ハードディスクへの負荷が許容量を超えました」が 起こらなくなった。 同じデータをSSD上に移動すると、やはりこの問題が起こる。 そして、SSD上のデータで書き出し先をHDDにしても問題は起こる。 あくまで、元の音声データなどがSSD上にある時のみ起こるようだ。
この条件を元に、ここからは推測。

なお、Cubase 8.5/9.5では、このエラーが出るトラックを フリーズすると一部音切れする。回避が難しい…。

キー変更の注意点

オケのキー変更を頼まれた時は、まずオケの配布元を探すこと。 探すのは以下の二つ。

  1. オケの配布元で、キー変更された音源が配布されていないか探す。あればそれを使う
  2. オケの配布元で、ドラム・パーカッションとオケが別に収録された音源が配布されていないか探す
    → オケだけキー変更して、その後ドラムと合わせることで、より高品質なものができるため。

これらが存在しない場合は、仕方ないから、配布されているオケのキーを Cubaseで変更する。変更手順は以下の通り。

  1. 元オケより高い周波数・ビット長のプロジェクトを作る
  2. 元オケを変換しながら読み込む(あればドラムパートも別トラックに読み込む)
  3. オケパートを選択し、上部情報バー(表示されてなければCtrl+I)の「移調」の数値を上下してキーを合わせる
  4. Stereo OutにUV21をインサートして、適当な周波数で書き出し(オーディオミックスダウン)

注意すべきは、Audacityなどフリーのツールでお手軽にキーを変更してはいけない ということ。出来上がり品質が全く異なるためだ。別にフリーツールを Disってるわけではなくて、事実を書いてるとご理解頂きたい。ぜひ手元の 環境で、フリーツールとCubaseでキー変更したオーディオを比較してみてほしい。 もしCubaseやDAWなどを使わず、お手軽に高品質なキー変更できるフリーツールが あるなら、ぜひ教えて下さいホントお願い。

ケロケロボイスを作る

最初にお知らせしておくことが二つある。

以上をあらかじめご承知おきの上で、以下、Cubaseでケロケロボイスを 作り出す方法を述べる。

さて、ここで紹介する方法は、Cubase標準VSTのPitch Correctを使う。 これや keroveeをオートで使って、はいケロケロ完成ー、でいいならそうすれば いい。んだが、多くの場合、それだと品質があんまりよろしくない。 だもんで、ここでは「全音符をMIDIノートで指定して、ボーカルを それに合わせて補正する」という無駄にアツい方法を紹介する。 手順は以下のとおり。

  1. ケロケロさせるボーカルトラックのInsert一番目に、Pitch Correctを挿入する
  2. Pitch Correctの CorrectionのSpeedを90に、Toleranceを80くらいに設定
  3. Pitch Correctの "Scale Source" を "External - MIDI Note" に変更
  4. MIDIトラックを新規生成し、ボーカルトラックの音程を一音一音全部打ち込む
    ※MelodyneだったらノートをMIDI形式で吐き出すこともできるので、それをベースに 使えば効率的。

これだけ。4.が手間だが、一曲5分くらいなら二時間もあれば入力できるだろう。 これで、MIDI Noteにしたがってボーカルが補正され、補正が強いところで ケロってることがわかると思う。 方法としては、実は 【レビュー】Cubase7でボーカル・ピッチ補正機能を試す。 で示されてるのとまったく同じなんで、正直あっち参照した方が よくわかると思います(正直すぎる)。

ケロのコツは、以下を理解すること。

  1. 急に音程変化させる(=補正する)とケロる
  2. ボーカルから少し遅れて音程変化させるとケロが強調される
  3. 補正する音程変化が大きいとケロも大きい
  4. ボーカルの発声持続時間(あーとか伸ばすところの時間)が長いところはゆっくりケロさせるとよい

なんかケロがおとなしいなぁ、と思ったら、MIDI Noteを指定してるトラックを 16分音符分だけ後ろにズラしてみるといい。こうすると、ボーカルから 16分音符分遅れてMIDI Noteが変化するので、ケロが顕著になる。これを元に、 変化量と変化幅を、MIDI Noteを調整しつつ細かく指定していく。かなり 面倒だが、このくらいやると、keroveeでオートで変更するよりもきれいなケロが 得られる。

なお、この方法では、MIDI Noteを指定しなかった部分は元ボーカルの音程が そのまま再生されるので、「軽くケロかけたい」時は、ケロるところだけ MIDI Noteを指定、それ以外は空白にしておけば、生音っぽい響きを残しつつ 重要なトコだけケロらせることができる。

重要注意点:上のような使い方をした場合に 限ったことかどうかは不明だが、Cubase付属のPitch Correctorは たいへん頻繁におかしくなる。具体的には、正しくピッチを修正してくれなく なって、無駄にケロったりおかしな音程に修正されたりするようになる。 こうなっちゃうともうどうやってもダメで、Cubase全体を再起動するまで 直ってくれない(ほかに直し方知ってる人居たら教えてください)。 だもんで、オーディオミックスダウンする時などは、一度Cubaseを 再起動して直後にすることを強くお勧めする。

マスタリング済みオケを使う時は

既にマスタリング済みのオケを使って「歌ってみた」MIXをする場合、 マスタリングでMaximizerをガッツリかけると、オケだけ多重に音圧が あがってしまいおかしくなってしまう。だもんで、それを避けるために、 以下のような手順を踏む。

  1. 全ボーカルトラック(ボーカルをまとめたボーカルグループを作っておくほうがいい)に、オケと馴染むくらいMaximizerをかける。8dbくらいが目安か。
  2. オケにInsertでStereoEnhancer/StereoImagerを挿し、音を少し左右に広げて、中央にボーカル用の隙間を作る
  3. オケのイコライザで、ボーカルの音域(400〜2kHz)あたりを1〜1.5dbくらい削ってボーカルを聞こえやすくする
  4. マスタリングでのMaximizerは可能な限りThresholdを0dbに近づける。かけても3dbくらいまで。そうしないと不自然になる

めんどくさいが、この手間が大事。

フリーズすると一部音切れする

フリーズ中にCPUの処理やハードディスクへのI/Oが間に合わなかったときに このようになる模様。従って、対処方法は 実時間で書き出し中にエラーが起こると同じ。 というか、もしそうなら、フリーズ中になんか警告出すとかエラー出すとかしてくれよCubase! Cubase9.5でも起こることを確認。

SSDの外部キャッシュ機能はOffにせよ

たとえばCrucialのSSD管理ツールについてくる「一時キャッシュ」(物理メモリを キャッシュに使ってI/Oを高速化する)とやらを有効にすると、音周りで周期的に レイテンシがとんでもなく大きくなって、上のプロセッサの負荷が云々の エラーが起こりやすくなる。オーディオI/Fでも内蔵音源でも同じ。 なんでそんなことになってるのよCrucialの人。だから、CrucialのSSD使ってる 人は一時キャッシュをOffにすることを強く勧める。 I/Fが「時々ぷつりと切れてすぐつながる」ように動くなら要注意。

他にも同様の情報が。PC ゲームサウンドノイズ原因 その2 : Crucial Storage Executive 一時キャッシュ(Momentum Cache)が有効。 PlexterのPlexTurboや、RAMディスクでも同様の問題が起こりうるとのこと。

プロジェクトが破損したら

あ・き・ら・め・ろ・!

…というのはあんまりなので一応回避策を。

コレ、ホント困るんですよな。でも 本家がすでにギブアップしてるし 。やだもー。