本文書は、今となってはもう骨董品の Dell Latitude D420を、mSATA SSD載せて もうちょっと使えるようにしよう!というアホ企画について述べる。
Dell Latitude D420はDellのA4ノート(※B5ノートと言い張ってるようだが、A4サイズの 紙とぴったり同じ大きさなのにB5ノートとはどういうことかDell)。 2013年現在既に退役軍人状態で、 アキバではジャンク屋で一万円以下で売られていたりもするが、 まぁそのアレだ、色々入ってて他のマシンに移行するの面倒だからという ただそれだけの理由で、少なくともXPがサポート切れになるまでは延命を考える。
なお、同じ方法が、VAIO PとかVAIO Uとかにも使えるはず。
Dell Latitude D420のHDDは、 1.8インチの東芝MK8009GAH。 これのコネクタはZIFという、いわゆる40PINのIDEをフラットケーブルにした ようなもの。このコネクタのHDD/SSDは非常に少ない上に、数が出てないから極めて 高い(例: SSDの場合)。 だから、容量増やしたい!と思ったときにも、気軽にストレージを アップグレードできないのが、こういう1.8インチHDDを使った機種の悩みだった。 悩みというかもう絶望的というか。
ところが、今頃になってナイス逸品が発売されたために状況が一変する。それは、 Sintech Electrironic Co. LTD の PA6007。mSATA SSDをZIFに変換できる上に 1.8インチHDDより小さいイカスアダプタ。これがため、最近リリースされている、 大容量で高速かつ安価なmSATA SSDを、1.8インチHDD(ZIF)と換装することが可能に なったのだ。
このアダプタはいろんなところで入手できる。
最も簡単なのは、もちろんProjectM。入手できればいいが、いつも品薄で、我輩も 入手できなかった。 我輩はUS Amazonで購入したが、結構時間かかるのでやきもきした。最後のは… なんか知らん企業でモノ買うのは怖いなーって。
というわけで、このPA6007を使って、Dell Latitude D420をSSD化してしまおう、という のが、このページの趣旨だ。
「えー、ちょっと高くてもフツーの1.8インチSSD(ZIF)買えばいいじゃん」という ご意見はごもっとも。そういう人はこのページ読まなくてよろしい。こういう無駄 作業は、なんというか…男のロマンなのですよ。それに、mSATA SSDにしとけば、 いよいよD420を廃棄することになった時に、このSSDを別の用途に使うことができると いうメリットがあるのは大きいしね(ZIF SSD買っちゃうと、載せるところがなければ もう捨てるしかないというか)。
今回はSSDとして、 プレクスターの128GB M5M(PX-128M5M)を用意した。双璧だった CrusialのM4 mSATAに比較すると、以下のような特徴がある。
WinXPで使うときは、Trimコマンドが無いから、寿命が長いっちうのは結構大きな メリットになる。あと、実装例が無いっちうのは、うまいこといけば個人的な 満足感が大きいというか。
PX-128M5MとPA6007を並べるとこんなカンジ。
聞くところによると、SSDとPA6007が接触してショートして壊れちゃう、という話が あったため、じゃぁ、ということで、我輩は間に一枚紙を敷いた。どのくらいの 隙間があるのかと思ったら、組み合わせた状態で紙が全く動かないので、ホントに接触 しているか、あってもその隙間は極めて小さいことがわかる。可能ならこういう 対策をしておくことを強くオススメする。
組み合わせた写真はこちら。間に紙が一枚入っているのが判るだろうか。
…って解説要る?正直、D420に限って言えば、HDDへのアクセスは極めて簡単なので、 あんま注意点は無い。 写真は以下の通り。赤丸の二点のネジを外せば、HDDを外すことができる。 とはいえ、全部を外す必要はない。HDDをガワから出してHDDに繋がるケーブルを 外すだけなので、フラットケーブルを本体から取り外す必要もない。
分解するならこんな手順で。
そうだねぇ、注意すべきことといえば、ZIFコネクタの抜き方かなぁ。ずばり 「ひっこぬく」。普通はケーブルをホールドするための小さなプラスチック板が ついてて、ソレを倒したりする(PA6007にはある)ものなんだけど、 東芝のHDDにはそんな女々しいものは無いらしい。男らしくグイっとケーブルを 引っ張って抜くこと。
ガワを剥くと、HDDはこんなカンジでぶら下がっている。
D420の場合、ラバーケースに入れてしまえば、詰め物をせずぶらんぶらんにして おいても困らない。そんなにガクガクしたりしないから、我輩はそのまま使っている。
最も注意すべきは、ZIFケーブルを差し込む向き。PA6007は、基盤の反対側に ケーブル接点がある(※普通のHDDは基盤側にケーブル接点がある)。だから、 HDDとは逆向きに挿さねばならない。つまり、以下のようなカンジ。
また、上で書いたようにケーブルを固定するための小さなツメ(赤印)があるので、 ケーブルを差し込んだらココをちゃんと倒すこと。
あとはガワをかぶせて、元に戻すだけ。簡単。
スゴい!速い!今まで4200rpmの1.8インチHDDでゴリゴリ動いてたのと比べると、 あまりの高速さに最新PCを手に入れちゃったのではないかと錯覚しちゃうくらいの 快適っぷり。これは試す価値がある!
でも、HDbenchで見るとこんな。
遅い!遅いよ!…と思うかもしれないが、とにかく今までが遅すぎたので、 体感速度的には十分高速。
他の人々も続々と換装に成功(?)してるみたい。よろしよろし!
というわけで、Dell Latitude D420にPX-128M5M+PA6007を乗っけるという アホ所業を敢行してみた。結果は極めて良好。これならWinXPがサポート切れになる 2014/04/08まで十分に戦える。PCを買い換えるようなリッチマンでないのなら、 こういう高速化は考慮してもいい。リスクはあるしある程度の出費は必要だけど、 その価値はあると思う。是非お試しあれ。
…気にしなきゃいけないのは、 PX-128M5MとPA6007とあわせて(円安で)一万五千円を超えるという出費と、 失敗した時のリスクをどう考えるか、ということだけかなぁ。
ProjectMのページ 見るとわかるけど、このコネクタシリーズ、mSATA SSDを 1.8インチHDD(日立コネクタ)とか2.5インチHDD(IDE)に変換するコネクタもある。 これらのHDD乗っけてる人で、安価に最新SSDを使いたい人は、是非試してみる価値は あると思う。こういう、痒いところに手が届くパーツって大好きだ。