ホローテックIIのBBのシールドベアリングはちょっと特殊で一般売りされてなくて、 できないかなーと思ってたら、 実はカンパのウルトラトルクBBのベアリングがそのまま使えるやんけ、ということが わかったので、ソレを試しちゃおうぜー、というところで。
ここで行う作業は完全無保証であり、やってフレームが爆発したりしても、我輩は 全く責任取らないので、自己責任でお願いしまス。そして、そういうのを 置いといたとしても、このページに従ってベアリングを換装するのは、 よっぽどの理由がない限りやめとけ!と言っておきたい。フツーに 新しいシマノのBBを買ってBBごと換装した方が、絶対安いしリスクがないし スムーズに回るようになる。シマノも公式に「分解すんなよ!」って書いてるしね。 いやダチョウ倶楽部的なフリじゃなくて。
ただ、今回我輩には「よっぽどの理由」があった。以下の写真で分かるだろうか。
BBの外径とハンガーの外径が一直線になっているのがその理由。 実は新しいBB(BBR60など)は、直径がBB6700より小さくなっている。そのため、 (機能的には全く問題ないのだが、)古いBBじゃないと、 この部分にみっともないスキマができちゃうのだ。残念ながら、我輩が持ってる 自転車は全部そう。
新しいBBR60というBBの方が、軽く回るし安い(2000円くらいで購入できる)しと いいとこまみれなんだが、たったそれだけの理由で、昔のBB用に作られてる我輩 自転車に全くフィットしない。 だから、BB6700を使い続けたかったのだよ…。わかってくれよシマノ! というかBBR60買ってからそれに気づいたんだけど、誰かBBR60下取りしてくんない…?
右(チェーンホイル)側のBBの回転がゴリゴリになった。クランク回すときに足に ゴリゴリが伝わるのでよっぽどだと思う。そして、二台の自転車で同じように 右側だけがゴリゴリになってるので、もしかしたら設計上の問題があるのかも しれない。しっかりしてくださいよシマノさん。でも我輩は、「これで色々 実験できるー!」となぜかウキウキ。しっかりしてくださいよ我輩さん。
BB6700に圧入されているベアリングのサイズは、25x37x6mm。実はこのサイズは 一般品には存在しない。厚さだけちょっと違う 25x37x7mm のベアリングは 6805という名称で一般売りされていて、 ちょっとプラスチック部品側に加工は必要になるものの、 コレに換装している方もおられる。それはそれで面白そうなのだが、 我輩はあくまで純正的な(加工が不要な)換装にこだわる。ので、6805は使わない。
そこで、カンパのウルトラトルク用のベアリング。これがなぜか25x37x6mmで、 BB6700にジャストフィット。シマノとカルテル結んでんじゃないか くらいの共通っぷりだけど、 おかげで助かります助かります。というか、シマノさん、なぜ入手が容易で安価な 6805を採用しなかった…?
ということで、BBBが出してる「BBB BBセット カンパニョーロ ウルトラトルクベアリング BBO-41」というのを購入することにした。一組(二つ)で3000円くらい。 Amazonリンクはこちら。
ちなみに、サイズちょっと違うフツーの規格品のベアリング(#6805)は、 一個700円程度。両側でこれがひとつづつ必要だと考えると、 やっぱり、新品のBBR60(2000円)買った方がいいでしょ? ムリにBB6700にカンパ用ベアリングネジこんだり、リスクを冒して6805を圧入したり する必要はないんやで…。
BBを取り外す手順は、専用工具は必要だけど、簡単なので省略。専用工具なしに 取り外すのはムリなので、その場合は潔く工具を買いたまえよ?というわけで、 取り外したものがこちら。
コレをバラすには、以下の手順に従う。これもまぁ「割らない程度に」気をつければ そんなに難しくない。少々傷がつくのは海より広い心で大目に。
というわけで、バラせた写真がこちら。このように、BB6700は、3つの部品に 分解される。
このうち、樹脂部品とゴムシールが、びっくりするくらい強力に 「ぎゅ!」っと押し付けられていて、これがシマノのBBの回転は渋いと言われる 原因になっている。単純にゴムシールを取っちゃえば、回転はかなり軽くなるが、 そんかし防水・防塵性能も劇的に低下する。
我輩は、やっぱり防塵防水の観点からは純正の仕組みが非常によくできてると 思うので、そのまま利用することにする。グリスはたっぷり塗るけど。
ここは、「このベアリングはどうせ捨てるんだ」という思い切りがあれば大丈夫。 手順も単純。
抜けたベアリングを見ると、「内側はシールドがあるが、外側は開放」で あることに気づく。割り切って、ここを両方シールドのベアリングにして、 上で分解した(回転が渋くなる)ゴムシールを取っちゃうのはアリかもしんないね。
まず、ベアリング外径にマッチする「何か」を用意すること。 今回は、手元のボックスレンチのひとつが、ベアリング外径(というかBB側の内径) にぴったりだったので、それを使った。ややベアリング外径より大きい。 ベアリングの内軸を叩いて圧入するとベアリングが痛むので、それは絶対に避けること。
それさえわかってれば、あとはグリス塗って叩き込むだけ。最初にベアリングを 地面に置いて、その上からかぶせるようにBB本体を置いて、上からゴムハンマーで 叩いて途中までベアリング押し込んでおくと、楽。
ベアリングの表裏は、あるのかもしれないけど我輩は気にしなかった。とりあえず 赤いのが見えるように叩き込んだけど、これでいいのかどうかは知らない。
あとは組み立てるだけ。グリスモリモリにして、ゴムシール入れて、樹脂をパチンと はめ込んだらおしまい。ここはもう注意することはないはず。ゴムシールと樹脂が 接触する部分にグリスを塗ることを忘れないこと、くらいかなぁ。
というわけで、カンパ用のベアリングを押し込むことで、シマノBBが延命できた。 やっぱりこのサイズのBBじゃないと、我輩自転車はシマらない。シマノさん、小さい BBも結構だけど、昔の自転車用に、BB6700(またはその改良版)を継続生産して くれませんかのぅ…。もしくは#6805使った素直なBB作るとか。
シマノのBBの回転が渋い理由もわかったが、豪雨の200kmを走りきってBBに全く浸水 してなかったことを考えると、この仕組みにはそれなりに意味があるのだなぁ、と 理解する。回転なんて軽ければいいんだ、防水防塵性能なんか要らねぇ!という アツい人は、ゴムシール一枚取るだけで回転が軽くなるので、(自己責任で) そういう道を選んでもいいかもしれないね。
同じ理由で、セラミックベアリングに変えたらどうなるかとかは考えないほうがいい。 仕組み上、BBの回転抵抗がベアリング単体とは比べ物にならないくらい大きいので、 そんな高価なものに変えるくらいだったら、もっと体を鍛えなさい、の方が いいと思う(※個人の意見です)。
なお、取り出したベアリングは、デグリーザでよく洗った後、今流行りの ハンドスピナーのようにして遊ぶのが正しい。少々ゴリゴリしてても、そこそこ 回るはず。くるくる回してるとやめられなくなっちゃうのよコレが…。