2018/09/03リライト
KAICHO: s_naray[at]yahoo[dot]co[dot]jp
※SPAM防止のため捻ってある
BD-1: サススプリングをオーダーする
■はじめに
BD-1のサススプリング(特にフロント)はやたらめったらやわらかい。街中を
のんびり走るにはいいが、ちょっとまじめに走ろうとするととたんに
ぼいんぼいんぼいんぼいーん、と最近のアニメも真っ青の揺れっぷり。
これでは困るので、スーパーでハードなスプリングがほしいなぁ、と思っても、
某店のオリジナルスーパーハードスプリングはやたらめったらとお高い。
そして、我慢して買ってみたら、それでもやっぱりぼいんぼいんが大きすぎた。
だったら、ということで、自前でどっかにに発注してみないか?というコーナー。
東海バネ工業を狙ってたのであるが、
最終的には東京発条製作所の
規格品が使えそうということになった。
■実測ばね寸法
基本的に、以下の法則がある。
- 座巻数((有効巻数-総巻数)/2)は1〜1.5
- バネ係数は、線径に比例する
- バネ係数は巻数が少ない方が大きい
- バネ材質の変更はあんま考慮しない
気になった人は、
東海バネ工業の
「
ばね検討ソフトver1.0 コイルばねっと」を使ってみよう。結構面白い。
フ ロ ン ト ス プ リ ン グ |
モノ |
線径 | 中心径 | 内径 | 外径 |
自由長 | 有効巻数 | 総巻数 |
備考 |
| 黒ばね1 |
3.5mm | 25.5mm | 22.0mm | 29.0mm |
90.0mm | 8 | 10 |
結構きれいでヘタってはないと思う |
| 黒ばね2 |
3.5mm | 25.5mm | 22.0mm | 29.0mm |
90.0mm | 8 | 10 |
かなり錆びていてヘタっているが…長さが1と同じなのはなぜ? |
| 赤ばね |
3.65mm | 25.65mm | 22.0mm | 29.3mm |
87.0mm | 8 | 10 |
きれいなのに長さが短いのはヘタっているからか? |
| 某店オリジナルスーパーハードスプリング |
5.0mm | 27.0mm | 22.0mm | 32.0mm |
95.0mm | 7 | 9 |
線径がドカっと太くて、なるほどのばね係数 |
リ ア ス プ リ ン グ |
モノ |
線径 | 中心径 | 内径 | 外径 |
自由長 | 有効巻数 | 総巻数 |
備考 |
| 赤エラストマー |
- | - | 11.9mm | 31.0mm |
39.0mm | - | - |
40.0mmが基本サイズ…のハズ…。中のスイングアームに固定するアルミ棒は
φ12.0mm |
| 黒エラストマー |
- | - | 11.9mm | 31.0mm |
38.3mm | - | - |
| 某店オリジナルスーパーハードスプリング |
7.2mm | 24.7mm | 17.5mm | 31.0mm |
40.2mm | 3 | 5 |
樹脂のガードつけると全長42.2mmに。
フィッシュボーンがハマらなくなるんだよねー |
■フロントばね定数データ
タレコミがあって、
こちらに、フロントばねの黒と赤のばね定数の実測値(?)が紹介されて
いることを教えて頂いた。
これによると、ばね定数は以下の通り。「ス」が紹介されてるステンレスばね。
- 黒: 10kgf/9.4mm = 1.06kgf/mm = 10.43N/mm
- 赤: 10kgf/8.7mm = 1.15kgf/mm = 11.27N/mm
- ス: 10kgf/5.8mm = 1.72kgf/mm = 16.91N/mm
対して、東海バネ工業のコイルばねっとで計算するとこんな。「東」が、
発注しようと思ってる某店オリジナルスーパーハードスプリングと同じ寸法のもの。
- 黒: 11.10N/mm
- 赤: 12.90N/mm
- 東: 44.51N/mm
…あれ?「東」は黒の4倍?我輩計算間違いまたは勘違いしてる?と思ったけど、
黒と赤が上と大体上と同じような値なので、うんきっとそういうもんなんだ!と
納得することにしよう。材質によってどの程度変わるかは我輩知らない。
神の味噌汁、というかばね技術者なら知ってるでしょうな。
■…で、どうすんの?
正直、さくさく注文したい。のであるが、2010/09/19現在、
東海バネ工業の
「ばね検討ソフトver1.0
コイルばねっと」から「お問い合わせ」ボタンを押しても404になっちゃうので
注文してない。なんでやのん、東海バネ工業!
…というところで、長時間頓挫していたのだが。
■東京発条製作所
いんたぁねっとをふらふらしてたら、こちらのページを発見。え、そんなバネがあるのん?
しかも価格が異様にお安い。一本245円?え?桁間違ってるんじゃなくて?
自前で探してみる。東京発条製作所の
ホームページはこちら。うーん、価格は書いてないなぁ…けど、使えそうな
強力ばねとやらは、TF/TL/TM/TH/TBと各種揃っていて、しかも直径・長さの
バリエーションがやたら豊富。ちゃんとページ下部のPDFに、ばね定数も載っている。
これはスバらしい。BD-1に使うなら直径30mm x 長さ40mm のものが
ジャストフィットのはず。このときのばね定数(N/mm)を、PDFから抜き出して
書いておこう。
フロント用(φ30mm、長さ90mm)ただしこれは内径が15mmなうえ、丸線ではないことに注意。実質は使えない
- TF30x90 : 15.73 N/mm = 1.60 kgf/mm
- TL30x90 : 32.99 N/mm = 3.36 kgf/mm
- TM30x90 : 60.92 N/mm = 6.21 kgf/mm
- TH30x90 : 122.43 N/mm = 12.48 kgf/mm
- TB30x90 : 196.30 N/mm = 20.02 kgf/mm
リア用(φ30mm、長さ40mm)ただしこれは内径が15mmなことに注意
- TF30x40 : 35.39 N/mm = 3.61 kgf/mm
- TL30x40 : 74.24 N/mm = 7.75 kgf/mm
- TM30x40 : 137.07 N/mm = 13.98 kgf/mm
- TH30x40 : 275.46 N/mm = 28.09 kgf/mm
- TB30x40 : 441.67 N/mm = 45.04 kgf/mm
なるほど…フロントはともかく、リアは使えそうな予感。
ただ、こればっかりは実際に試してみるしかないのがつらいところ。
懸念点として、エラストマーは言えば固体なので、
ばね定数は一定ではなくて、押せば押すだけばね定数が上がるんじゃないかなー
という気がしないでもないというそんな。
■どうやって購入する?
上のページの方は、ミスミで購入
されたそう。外形30mm、長さ40mmで検索すると、確かに引っかかる。
…あれ、でもミスミって個人客は売ってくれないんじゃなかったっけ確か。
ああ、そうだ、
新規ユーザ登録しようとすると、一般消費者(個人)の方への販売は行っておりません
って表示されるね…くそう。
大学に属してれば
個人でもいけるという話もあるけれど、結局一般消費者には無理みたい。
「泣けるビジネス書」として我輩激推しの「経営パワーの危機」など三部作を
書いている
三枝 匡氏
が元社長なんだから、そのくらいは都合つけてくれてもなー、という
無理やりな理論を展開したりしなかったり。閑話休題。
モノタロウも実は一般販売をしておらず、
一般消費者のお客様はインターネットホームセンターIHC.MonotaRoをご利用くださいと表示される。
じゃぁ、とインターネットホームセンター
IHC.MnotaROに行くと、
検索すれば出てくるのだが、欲しいサイズがなかったりする。欲しいサイズが
あれば買えばいんだけどね…。
結局、
一番品揃えがよくてまっとうに一般消費者が買えるのはAmazonだという。
外資にやられっぱなしでいいのか日本企業。個人的にはミスミに頑張って
頂きたいが、一般向け販売はクレームがつきもので、そういうの面倒でコストかかる
からやらんわなという話をどこかで見たような気がする。残念。
Amazonで買うと一本1000円以上しちゃうので、元が250円とか300円とかだと
考えるとちょっと悲しい。でも背に腹は変えられない。
■買ってみた
リアサスペンションを置換するために、
TH30x30を買ってみた。通常なら30x40(長さ40mm)なんだけど、我輩のは20インチ化
してるから30mmでいいの。で、適当に余ってたプラ板とかを削ってスペーサにして、
余ってたゴム栓を削って止め具にして、今のリジッド(TSキャップ)と交換。
だが残念、実際に走ってみて、これはダメだと思った。こんなカンジ。
- 柔らかすぎる。THじゃなくてTBの方がよかったみたい
- すぐ底つきする。我輩が体重重い(90kg超)のもあるけど、それにしてもストロークが短すぎる
- 細かい振動を吸収しきれず、ガタガタ道を走るとチャキチャキ音がする
- ダンピング効果が乏しく、ぼよんぼよんが続く
最初の二つはまぁTBに変えればいいんだろうけど、後ろ二つが致命的。
確かに、硬いものの上に2cmくらいの高さから落とした時に、エラストマーより
明らかに暴れるカンジが強い。むぅ、やはりダメかー。
というわけで、ばねを試すことでエラストマーのメリット(底つきしない、
制振効果が高い)を認識したのでした。
結論・我輩にバネは合わなかった!
でも、新たな構想が浮かんだので、それは続編にて!