2015/01/30
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ハブダイナモ用LEDライトを定電流回路で駆動してみる(失敗?)

■はじめに

本文書は、以下のハブダイナモ用LEDライト作成工作の延長として、 定電流回路で駆動してみたらどうなるだろう、というのをやってみた番外編である。

何度も念押しして恐縮だが、我輩の電子工作知識とレベルはマヂで中学生レベル以下なんですよ!

■経緯

今日も楽しくインタァネットサーフィンサーフィン!してたら、 Strawberry Linuxなんてところが 色々な LEDドライバ(定電流回路)をバラ売りしているのを発見してしまった。 で、「そうだ、ハブダイナモは500mAの定電流発電機だけど、 大容量の定電流回路を付加して電流が増やせるなら、 もっと明るくなるんじゃないか?」と思いついてしまう。 もうハブダイナモ用LEDライトは作らない、とゆってたにも関わらず もっかいチャレンジするハメに。前言撤回なんて簡単簡単!

早速1000mAの 定電流回路を発注。個人宛にも一つから販売してくれるのでうれしい。 ああ!また無駄出費が!でもなんか楽しい。

■期待すること

今までの実験から、ハブダイナモが供給可能な電流は500mAで頭打ちになることが わかっている。 定電流回路を使うことで、(電圧は落ちてもいいから)これを1000mAまで増加できれば、 明るさがなんと二倍に!ワォイッツクール! LEDの三つ直列が可能なくらいにハブダイナモの発電電圧には余裕があるので、 電圧を電流に変換できりゃ(電力は変わらなくても)一灯の明るさは増加するはずだ! 高効率!

…というのを期待していたのであるが。

■用意するもの

今回は以下を用意してみた。総額3000円超えちゃったよ!LEDドライバが大半を 占めるというのはまぁ仕方ないことか。一灯だけだからLEDはお安く済むけどさ。

品名型名価格備考
プラスチックケース TB-51-B 140円 千石電商で購入。40x70x25mmのプラスチックケース。 可能なら耐熱が望ましいが、なかったのでフツーの。
ハイパワーLED Cree XM-L2 U2(20mmφヒートシンク付き) XM-L2 U21A 750円 いつものヤツ。秋葉原LEDパラダイスで購入
CREE XM-L用レンズ(10°) x1 ? 200円 XM-L(XM-L2も寸法同じなので使える)用集光レンズLED Ecology Webshopで購入。
ダイオードブリッジ 200V 1.5A W02G 340C 50円 千石電商で購入。ショットキーバリアダイオードブリッジが欲しいのにどこ行っても手に入らないよ!
電解コンデンサ 25V 1000uF 50円 16Vで十分だけど、手元にあまってるのがコレしかなかったので。 今回のLEDドライバはもっと小さなコンデンサをつけることを推奨してたけど、 整流のためにデカいのを追加した。
RCA端子(♀) 50円 千石電商三号店2Fで購入
赤黒コード 1.6mmφ 10cm 0円 あまってた切れ端を使用
波動スイッチ KCD1-AP-101012BBA 54円 マルツパーツ本店で購入。一回路一接点(On-Off)の基本的なスイッチ
0.7mm厚アルミ板(60x40mm程度使う) 0円 家に転がってたのを使用。多分東急ハンズ謹製
熱伝導性両面テープ たぶんコレ 0円 前買って残ってたのを使用。LEDをアルミ板に貼るのに使用する。10x7mm 程度しか使わない
1000mA定電流回路 1922円((本体1400円+送料380) x税) Strawberry Linuxから購入した 1000mAの 定電流回路。送料にも税金かかってる…のがなんか衝撃的

ところで、LEDの明るさ。スペックから拾ってくると、以下のようなカンジ。 CoolWhiteあたりで同じ500mA流すとして、間を線形にざっと計算したら赤字のように。 やっぱりXM-L2の方がいいんですなぁ。

LED Type350mA500mA700mA1000mA
XP-E(R3)122lm174lm?--
XP-G(R5)139lm201lm?260lm348lm
XM-L2(U2,25℃)-256lm?341lm-
XM-L2(U2,85℃)-226lm?300lm412lm

■作ったモノ

いままでとほぼ同じなので省略。間に定電流回路を入れただけ。今回はLEDも 一灯だけなのでスイッチも単純だし。完成した回路部分の写真は以下の通り。 空中配線も駆使して極力単純に。今回のLEDドライバはスイッチをつけるところを 指定してたけど、今回のスイッチの耐電性能は高いので、デカいコンデンサつけて 電源側にスイッチつけちゃったですよ。これでも問題はなさそうだし。

■点灯させてみる

定電流回路無しの場合と比べて明るさがほとんど変わらない気がする。 若干明るいか?くらい。 逆に、定電流回路部分で電圧食ってるから点灯開始は遅いし、点滅区間長いしなど メリットが少ない。 あれー?点灯開始が遅いのは予想してたけど、明るさが変わんないのはなぜだ? スピード出さないとダメなのか?と思って、がんばって漕いでみるも、やっぱり 変わらない気がする。何故?

降圧チョッパのDCDCコンバータでは、電流を増加させることはできないのか? そう思って調べてみたら、 それらしい 記述発見。曰く、「iL(入力電流)の平均値=iout(出力電流)」。 電圧が下がっても、電流を増加させることは難しいんだねぇ…。でも、 周波数・DUTYとインダクタを上手に調整することで、ハブダイナモから 1000mAの出力を引き出した例も存在する。おおう!。 ちゃんと回路作ってちゃんと測定して適当な値を探せば、そういうことは可能になるみたい。思ってたよりも 随分繊細なんですなぁ…。

一方、倍電流整流回路(電圧は半分になる)なんてものも存在するらしい。 交流成分のプラス側・マイナス側をコイル二つで整流することで電流を増加させようと いうアイディア。んー、でもコレ、半波整流の時にちゃんと元と同じ電流を出力する ことが前提になってるような…。 また、これも適当な電源電圧や周波数・適当なインダクタがあれば、という条件が つくので、6V 30Hz程度のハブダイナモを電源にするのだと実現は厳しそう。

で、お話だけじゃやっぱりわかんないや!ということで、最終的には上で作った回路の LED直前に安物テスターくっつけて、電流を実測してみた。それが以下のグラフ。 目分量なので正確な値ではないことはご容赦。確かに500mAよりは出てるんだが… 最終的には600mAくらいでサチってる気がする…。しかも20インチ(406)の結果だから、 700Cで同じ出力を得るにはスピードがこの1.72倍必要になっちゃうしー。

というわけで、やっぱり我輩程度の知識でハブダイナモ+LEDに挑むなら、 今までの回路が一番効率がよさそうなことが わかったという。 二灯点ければ、3Vx500mAx2 = 3W でちょうどいいしね。

■別のアプローチを検討してみる

LED一灯を明るくするなら、倍電圧整流+高電圧LEDという選択肢も検討していいかも しれない。 倍電圧整流回路を通すと、電圧は倍に、電流は半分になる。ということは、 ハブダイナモの出力をベースにするなら、12V/250mA 程度になるということだ。 世の中には、10V/300mA(3W)なんてLEDが存在している。これはハブダイナモ出力を 倍電圧整流したものにジャストフィット。従って、こういう組み合わせであれば、 一灯で発光量の多いLEDライトを作ることができる…と思う。

とはいえ、実はこういうLEDは少数派で、実はあんまり発光効率がよろしくない。 同じ3Wなら、一般的な3V/1000mAのLEDの方が一般的に明るいし、3V/500mAのLED x3の 方が往々にして明るい。だったらそういうLEDをx3とか載せた方が作りやすい。 まぁコレは話半分で。

そういや倍電圧回路でハブダイナモ+LEDライト作った人がいらっしゃったなー、 と探したら、この方だった。

この方は倍電圧整流+LED用定電流ドライバモジュール(350mA)+LED(10.5V/350mA)を 採用している。 んー、でも、今までの実験結果としては、 ハブダイナモ+倍電圧整流の出力電流は250mAを 超えないはずだし、定電流装置で電力をロスすることも考慮すると、 だったら倍電流整流だけで、定電流装置は省いた方がいいんじゃないかしら…とか 思ったりも。 我輩も作ってみたいけど、最近こういうLEDって入手が難しいんだよなー…。

■おわりに

というわけで、市販の定電流回路でハブダイナモの出力以上の電流を取り出す実験は (多分)失敗。高い授業料だったわ!余ったこの定電流装置どうしよう!?

同じ方法で頑張っている方もいて、ちゃんと調整すればなんとかなりそうな ことが判ったのは収穫だった。あ、是非完成したら回路図見せてください(他力本願)。

一方、倍電圧整流+高電圧LEDという組み合わせを試してみたくなってきてしまった。 どっかで高電圧に耐えるPower LED、入手できるのかなぁ。