2024/11/18
KAICHO: s_naray[at]yahoo[dot]co[dot]jp
※SPAM防止中
ケイジバン

12速化でのフロントチェーン落ちを対策

■はじめに

SENSAH EMPIRE PRO 12s 導入記で述べたように、12速化すると、アウターローでクランクを逆回転した時フロントが内側にチェーン落ちするという問題がある。これをなんとかする方法をここで提案する。

リア側のチェーン落ち対策はこちら

■おやくそく

このページの情報は一切無保証で危険かもしれないので全部自己責任でね! このページの情報で何かしてアナタに何か不都合なことが起こっても私は責任取らないよ!

■問題点

以下の条件の時、フロントのチェーンリングからチェーンがBB側に脱落する。

  1. フロントはアウター
  2. リアはロー付近二枚くらい
  3. クランクを逆回転する
12速化するととても顕著に起こる。特にリアが最ローだと100%起こる。アウターからインナーに落ちるだけならまだ運用でなんとかなるが、なぜかインナーを越えて必ずBB側に落ちる。BB近辺に傷がつくし回復に時間かかるしとても困る。

アウターローにしなきゃいいじゃんとか逆回転しなきゃいいじゃんというのは却下。運用上そういうことは必ず起こりうるので。人間からうっかりミスはなくならないのです。

このあたりと同じ症状。

■原因と対策を考える

原因は以下。

  1. そもそもチェーンラインに無理がありすぎる
    実際、無理の無理無理。こんな斜めになる設計アリなのかって疑うくらい無理。そりゃチェーンも外れますわ。

    インナートップでチェーンが外れないのは、アウターチェーンリングがチェーンを押さえているから。というかインナートップの時はチェーンとアウターリング接触しちゃってるよ!

  2. リアエンド幅が130mm
    我輩のはクイック時代の古い自転車のため、リアエンド幅は130mm。スルーアクスルの142mmなら、130mmに比較してスプロケットが少し外に出るため、もう少しチェーンラインが楽になる。フレームによっては何もしなくてもチェーン落ちしないかもしれない。
他にも、使用しているクランクが10s時代のFC-5600だからとかもっとチェーンリングを小さくすればとかあるかもしれないが、「まあいいじゃんそういうの」とだけ言っておこうか…!(※ヒント:貧乏)。

で、対策を考える…が、上記1.が強すぎる。どうにもならん。 ディレイラーハンガーの角度もいろいろ調整してみたが、我輩の自転車では問題は解決できなかったし。ホイールベースを長くしたりクランクを内側に入れたりする(いずれも無理)以外に、根本解決は不可能だ。では対症療法でなんとかなるか?というのをずーっと考えてて、ふと思い立った。 「インナーチェーンリングの内側にチェーンガードを付けてみてはどうだろうか?」。

■入手したもの

aliexpressで110 BCD 34Tのチェーンガードを入手。独身の日とかで2000円ちょっと(+送料370円)だった。aliexpressなら本気だせばコレ500円(送料無料)くらいで行けるだろ!と思ったけどそうでもなかったみたい。最近中国製品も値上がりしてんのかなー。 Amazonリンクはコレの34Tかな?コレよりは安いけどね。

注文から到着まで5日くらいだった。納期については、最近aliexpressがんばってるよね。モノはきったない灰色ビニールの包装に申し訳程度の緩衝材といういつもの雑っぷりだったけどまぁよし。

34T用で直径は155mmくらい、思ってたより大きかった。結構波打ってるのと、真円じゃなくてだいぶゆがんでるのはさすがのチャイナクオリティだが、大きな問題はなかろう多分。

■インストール

内側にチェーンガードを搭載するにあたり、用意するのは以下。

  1. チェーンリングのフィキシングボルト5本
    チェーンガード分厚くなって長さが不足するので、ダブル用のボルトは使用できない。 たまたまトリプル用のボルトを持ってたので、ソレを使うことにした。

  2. Φ10mmのeリング
    インナーチェーンリングにべったりくっつかないように、スペーサーとして。なぜ普通の丸ワッシャじゃなくてeリングなのかというと、丸ワッシャだとチェーンと接触してしまうため。eリングみたいに切り欠きがあれば接触しない。ワッシャ削ってもいいけど手元にeリングあったのでソレを有効活用したということで。厚みは二枚重ねて2mmとしたが、1.5mmとかにしたかった。写真二枚目はeリングの切り欠きの向きが逆で、外側に向けて開いてないとダメだった、すみません。

  3. 4.8mm厚のスペーサー
    トリプル用のナットが1mmくらい長すぎたので、スペーサーとして転がってた内径10mm厚さ4.8mmのアルミ材を使った。確かなんかのチェーンリングのスペーサーだったはず…なければ普通に内径10mmのワッシャを必要枚数重ねればよい。

組み合わせるとこんな。これらを、外側から ボルト→アルミスペーサー→アウターチェーンリング→クランク→インナーチェーンリング→eリングx2→チェーンガード→ナット の順番で締め付ける。それだけ。

自転車に組付けた姿はこちら。ぱっと見内側のチェーンガードなんて見えないからスマートっぽい。でもフィキシングボルトが飛び出てるのはみっともない気もする。自転車を逆さに置いているので上下逆なのはご勘弁。

我輩のフレームだと、インナーガードとチェーンステーがギリギリ干渉してしまった。クランク一回転させると二か所くらい微妙に当たる。ので、インナーガードをゴムハンマーで内側から叩いて少し変形させて「なかったこと」にした。全周でクリアランスは1mmないけどナ。 ここはフレーム形状によって干渉するかどうかが変わるから、かなり運任せな気がする。

できればもう1mmくらいインナーガードの外周を削りたいし角の面取りもしたい。そうすればクリアランスが1mm以上に増えるから。でも、綺麗に切削する工具も持ってないし、当面はコレでいいやということで。

■どうか?

とてもイイ。 クランク逆回転しても、フロントでBBへのチェーン落ちは全くなくなった。外れそうになるとインナーガードがインナーチェーンリングに戻してくれる。つまり「アウター→インナー」へ落ちるのは落ちるが、それよりBB側にチェーンが落ちることはなく、フレームに傷がつくこともなくなった。それだけで快適度爆上がり。もう信号待ちでペダル位置整える時とか家から自転車をバックで出す時とかにチェーン落ちして悲しい思いをすることはないのですね…おォ神よ!

12速化してクランク逆回転時の扱いが「少し繊細」だったのが、遂に「結構雑にしても大丈夫」になった。とても嬉しい。

■デメリットは?

  1. 100gくらい重くなる
    でもメリットが捨てがたい…。

  2. 分解時、eリングがポロポロ落ちるので屋外での整備が難しくなった
    今は1mm厚のを二枚使ってるから余計に。1.5〜2mm厚のeリングに交換すればもっとマシになるかもしれない。いずれにしても屋外ではどうこうしたくないけども。

  3. インナーx最ローでチェーンがチェーンガードに少し擦って音鳴りする
    これが一番のデメリット。最ローの時のみで、下から二段目になると擦らないので本当に微妙な感じ。音は小さいから我慢できるし、インナーx最ロー使うのは泣きそうな坂を上る時だけだから、許容することにしている。多分それこそチェーンガードの外周をもう1mm(直径で2mm)削れば回避できるんだろうけど…綺麗に外周を削る方法があればねぇ。

■おわりに

スゴいイイ対策でした。自画自賛!素敵!最高!抱いて!

これ誰か商品化してくれないかな…チェーン落ちしてフレーム傷つけて凹んでる人は結構居るだろうし、需要はあると思う。チェーンウオッチャーやチェーンガイドだと「正回転時のチェーン落ち」には有効だけど、逆回転時には無力。この方法なら正回転・逆回転いずれも対応できるから、ホントお勧め。

ご意見や情報、誤情報訂正要求(根拠つき)などは募集中。 掲示板経由でも メール経由でも構わないのでどうぞ。